素顔

想い出を

追いかけているうちに

こんな所に来てしまった

それは街並みが

ステンドグラスで装飾されて

光と祈りのある街だった

肩越しに見え隠れする

不安の一抹は

アルミナの光沢となって

いつの間にか

どこか遠くへ消え去った

ペルソナの密告を剥がし

真実の自己と対峙する

瞬間が訪れた

仮面に別れを告げ

真実に挨拶する

ステンドグラス越しに

木漏れだす光と祈り

想い出は

記憶の彼方に遠のいて

ようやく

素顔で生きる

今が在る