自分派野郎

いつもの交差点にさしかかった

いつもなら赤信号

周りを見渡してみたり

流れる音楽に聞き入ったり

それが珍しく青信号で

あっけなく通り過ぎた

次もその次も青信号

わずか5分あまりで目的についた

いつもなら15分

それが5分

10分得したのだろうか

10分損したのだろうか

早く到着すると

それは確かに合目的的ではあるが

見慣れた景色が見えなかったり

一寸した発見が出来なかったり

人生には道草を食うことが

いかに大切であるか

よく知っている僕には

不満足が残ってしまう

新幹線より各駅停車で途中下車

そんな自由が好きだ

自分のペースに合わないことは

あまりしたくはない

各々自分のペースが在るものだ

人のペースに合わせることが

不得手な僕は

青信号ばかりの交差点を

速度を保ったまま通り過ぎる爽快感より

赤信号で停止した時に

あれこれ考えることの方が大切だ

お願いだ

信号は青ばかりじゃいただけない

赤信号で僕の思考を停止して欲しい

車の運転に神経を使い続けるより

助手席か後部座席で

ぼーっとしていたい派なもので