落ち葉拾い

落ち葉を拾って

大事そうにする

少年がいた

老いた人が手のひらを広げたような

その落ち葉は

全く水分を失っていて

少年が拳に僅かな力を込めた途端

指と指の間からパラパラパラっと

姿を消してしまった

少年は生まれて初めて

「はかなさ」という事象に出会った

もちろん、

「はかなさ」と言う言葉は

知らないだろう

その意味を実感して言語化できるには

もう少し成長する必要がある

落ち葉を握りつぶして

少年は走ってどこかへ行ってしまった

大人にはわかっている

でも少年には、

そんなことはわからない

少年は

「はかなさ」をどんな出来事で

実感することになるのだろう