蒼春賦

蒼いんだ

南風がたどり着いた

というのに

 

夏の予感がすると

空は涙を流している

 

蒼いんだ

北風が遠ざかっていく

というのに

 

恋の予感がすると

空はスカイブルーの淡い彩り

 

蒼いんだ

水平線を眺めながら

待ち人の小舟が

浮かび上がる姿を

探してたたずむ

 

いっそ魚になって

水平線を

超えてみようか