観象する

果てしない高原地帯を

白い馬が走っていた

時折人間が住んでいる

パオの間をぬぐって

ひたすらに走っていた

その馬が走る理由は

人間には分からない

とにかく走っている

よくよく考えると

走ることの理由付けが

必要だろうか

馬だけが分かっているはずの

その理由をあれこれ詮索

するよりも

通り過ぎる際の

風を感じて

その姿の勇ましさを

遠く眺めていればよい

我々が考えようと考えまいと

無関係に白馬は突き抜けてゆく

果てしない高原地帯を

白い馬が走っていた

本当は白馬にも

走る理由は

分からないのかもしれない