赤い月

まんまるの月を喰らってやった

きっと、

カリント饅頭の味がするだろう

ところが氷のように冷たくて

あまりに硬くて喰らうのを諦めた

月は真っ赤に染まってた

その月が夜空に美しく映ていたので

静かに眺めておくことにした

月をかじろうとしたのは

赤い月を眺めることに憧れていた

利己的な感傷の仕業だろうか

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