越前にて
海に臨む岩陰で
潮風に誘われながら
ゆらり咲いている
白と黄色のコントラストが
緑の優しさに支えられている
無数に広がる潤いの香りが
風の便りを受け止めている
耳を澄ますと
あちらからも、こちらからも
花々の囁きが心地よく響いている
近接した白い花びらが向き合って
何かを伝えている
出会うのは
奇跡だね
出会うのは
奇跡だよ
出会って
絆が折り重なって
一人ではないことに、気づく
語り部たちは再び
潮風にゆられながら
夕日が沈んでいくのを眺めていた