赤い糸って何

小さな川のせせらぎは

絶える事なく続いてゆく

雨が降って

水嵩が変わらない限り

一定の速さで続いてゆく

それに癒される時がある

海辺の波打ち際で

満ち引きする波の音は

緩と急を繰り返し

大海のおおらかさが

穏やかで優しい波音を

潮の香りと共に届けてくれる

それに癒される時がある

ゆっくりと物思いに耽るには

満ち引きを繰り返す

穏やかな波音の方が心地よい

運命の人とは

赤い糸で結ばれているという

赤い糸など見たことがない

見えない赤い糸ってなんだろう

それはおそらく

匂いではないかと、想像する

匂いで実感する以外に

運命の人かどうか

きっと、わかりはしない

嗅覚の刺激から感じ取れる

遺伝子レヴェルでの判断

運命の人とは、少なくとも

その人の持つ匂いを

無条件に受け入れることが

出来る人だろう

出会ってもいない人が

運命の人かどうかわからない

赤い糸と抽象化しておけば

誰も傷つくことがない

運命の人とは

赤い糸とは無関係で

顔や姿形はヒントにすぎず

きっと

その人の匂いを

DNAレヴェルで

信頼できる人

川のせせらぎよりも、

波音の繰り返しに紛れた

潮の香りよりも、

運命の人が持つ匂いこそが

心を癒すのだろう

 ・

運命の人とは

おそらく

匂いで結ばれている