金融小説?

金融小説?

会社の名前は

太陽クラブといったっけ

 

とんだ詐欺商法だが

うまく仕組まれていて

善意の第三者を気取り

相談に乗る

 

高額の不渡り手形を発効し

契約相手をおとしめて

巨額の金を手に入れる

 

非常に頭脳明晰な

架空の東大法学部生を題材にした

フィクションだったと記憶する

題名は今すぐには思い出せない

 

最後は窮地に追い込まれて

味方につけた法律から見放され

身動きが取れなくなる

それでも、自分は天才だと

自分の会社を燃やして死んでいく

 

そもそも成り上がる動機ややり口が

汚いと、最後は自滅するものだ

いくら神様でも味方にはなれない

 

中学生の時に読んだ小説を

いまだに覚えているのが不思議だ

「善意の第三者」という言葉を

初めて知ったのが

この小説だったからかもしれない

 

たしか、映画化もされた

「狼は生きろ、ブタは死ね」などと、

今では倫理的に考えられないような

コマーシャルが流れていた

 

みんなは推理小説として

読み解いていたのだろうか

中3の僕はこういう生き方に

憧れることは全くなかった

 

あくまでも非現実的な

金融小説としてはインパクトがあった

ミナミの帝王のような

温情を感じる場面は

一切なかったように思う

 

記憶が不確かだが

出向先でのあるエピソードをきっかけに

某会社で取引していた際の

顧客リストを携えて辞職する

 

それをうまく利用して、

全く旧系列会社の影響が及ばない

外資系の別の会社で

一旗揚げようという手はずだ

 

前任の会社での顧客リストと

それを頼りに

広げたネットワークがあれば

すぐに常識では考えられないような

業績があげられる

 

本人の実務能力とは無関係に

カンニングして一等賞を取るようなものだ

二流マジックにはすぐに見破れるタネがあるが

二流を相手にすれば、それに気づかれない

つまり成功すれば

一流ではない証明になるのに

そんなことに気づく余裕もなかった

心理が読み取れる

 

ところが、そういう手法は

顧客リストが尽きる2、3年が限度だろう

そうふんで、部門を変更する

 

卑怯な手を使ってでも

事実上、

過去に誰もなし得たことない

業績を上げたのだから

セクションを変更しても

皆、一目を置くだろう

 

そこでもう一踏ん張りだ

キャリアを生かせば

マネージメント能力など

顧客リストを使って

契約件数を増やすことに比べれば

No.1を取るのは容易だ

 

美辞麗句を使って

説得力を持たしさえすれば

人生の勝者となれる

 

成り上がりの汚い糸口を知らない人達は

すごい人だと勘違いする

そして、自分は偉いと自らも勘違いする

 

実際には、あり得ない話だから小説なわけで

あれば、表面的にはキレイでも

内情的には情報漏洩に抵触し

今なら調査すれば

すぐに逮捕され得る

犯罪者級の汚れた考え方だ

 

話のついでに触れておくと、

今時なら、

(そういう方々にはいささか失礼な話だが)

フィナンシャル・プランナーなど、

聞こえはいいけれども、

本1冊読めば

すぐに取れてしまう資格

医者の同僚で、1ヶ月もかからず

資格を取った変わり者がいた

 

エグゼクティブ・

フィナンシャル・プランナーなど、

さらに実務経験を3年ほど積めば

誰でも取れてしまう資格だと、

うかがった

本当かどうかは知らないけれど

 

個人的には、信頼するに値しない

怪しんでしまう

なぜなら、

相談するよりも

自分で勉強した方が早いから

不必要だ

 

だから、何度も言っているけれど、

そういう資金運用の話を

持ち込まないでね

時間の無駄です

 

話を元に戻して、

主人公は、

代償に、お金しか信じられなく

なってしまったに違いない

 

男としての真のプライドのない

人間にしかできない所作だ

 

当時はそんなつまらない小説にすら

感動できた

 

今はムリだね

ちょっとやそっとじゃ

心を揺さぶられたりしない

 

そういう小説自体が

時代錯誤だけれど

見せかけの成り上がりが浮かべる

微笑みには注意した方がいいのだろう

 

お金ほど、人を狂わせるものはない

 

半沢直樹の見すぎかな・・・笑

 

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(研修医時代の一風景)

 

「医者がなんぼのもんや」などと

いう人がいるらしい

 

でもね、

私利私欲のためではなく、

人の役に立つようにと切望し、

一生懸命に、ひたむきに、

わたくしは、医者として、生きてきた

わたくしは、医者として、生きている

わたくしは、医者として、生きていく

 

医療の現場を

少しでも正しく

理解できる人が増えることを

わたくしは、希望して、

生きている