銀色の川
雨が降っていた
土砂降りの雨
アスファルトの地面を
川のように流れてゆく
街灯の照り返しで
それは銀色に輝いていた
銀色の川が流れている
何処に流れ着くのだろう
そんなこと考えても仕方ない
川上に向かって歩くことだけ
考えていよう
流されるのではなく
水浸しで重くなった靴を
脱ぐこともなく
歩いてゆく
いつのまにか銀色は
暗闇に変わっていた
粘着質の泥が
足元を引っ張った
気分を変えるために
鞄にしまい込んでおいた
傘を差すことにした
雨に打たれながら歩いていると
何事にも抗っていない自由があった
それが見あたらなくなった
傘を閉じて
濡れたまま鞄にしまい込んだ
これでいいのかもしれない
奇妙な自信が蘇り
銀色の川の続きを歩いた