銀色の森

桜の花の

美しさに嫉妬して

雪の妖精が

森に魔法をかけた

 

銀色の森になる

魔法をかけた

 

桜の花は

凍えて銀色に

移ろっていく

 

サクラ・チル

 

それでも

桜の花の

まばゆさは

地面の上を

桜色に染めていた

 

桜のじゅうたんの上で

雪の妖精は

寝そべってみた

 

嫉妬していた気持ちを

後悔して

羽に桜の花びらを

つけたまま

冬の故郷に帰っていった

 

月日がたてば

サクラ・サク

 

月日がめぐって

サクラ・サク