錦秋
穏やかな秋の日差しに
心が和んで
溶けてしまいそうです
キンモクセイの香りが
風に乗って
通り過ぎてゆきました
肌寒さに誘われて
コスモスの色を確かめに
行きたくなりました
日暮れの早さに驚いて
しんみり慌てて
帰る家路です
秋の足音、
聞こえてきます
コオロギの鳴き声で
寂しい気持ちが
生まれます
すりあわされた羽の奏でを
耳にしながら
本のページをめくっています
活字を追っているうちに
しっくりと
物語が続いていくのです