雨に濡れながら夜空を見上げる

ずぶ濡れのまま

重い荷物をかかえ

駐車場までかけていく

傘を差し伸べるひとも

誰ひとり、みあたらず

 

ずぶ濡れのまま

立ち止まって

思い出す、あの頃

 

傘がなくても

誰が助けてくれる

わけでもなく

全力で走り抜けていた頃

きっと若かったんだね

何も感じず、何も思わず

全力で走り抜けることだけを

考えていた

 

今は、傘がないと

寂寥感が身をまとう

カバンの中には

折りたたみがあるのに

取り出す気にはなれない・・・

もう若くはないんだね

 

ずぶ濡れのまま

立ち止まったまま

何の意味もなく

雨の落ちてくる

夜空を眺めるのに

慣れてしまった

 

ずぶ濡れのまま

駐車場までかけていく

傘を差し伸べるひともなく