雨宿り
激しい雨が止んだのに
雨宿りしたまま佇んでいる
何故かその場から動けない
・
何か忘れ物をしたんだろうか
きっと何かが足りないんだ
曇り空を眺めながら
考え込んでしまったんだ
・
僕は勇気を出して
重苦しい枝葉をつけた街路樹の下を
歩いていた
・
街路樹からこぼれ落ちる雫が
頬に当たった
そのとき、思い出したんだ
・
僕の左側で傘を差し出す
君がいないことを
・
君がいないと
僕は雨が止んでも雨宿りを続ける
そんな寂しがりやであることに
気づいたんだ
・
僕に傘を差し伸べてくれた人は
あなた一人だった
そんな、あなたを無意識に
僕は曇り空を眺めながら
待ち侘びでいたんだろう
・
バカだよね
ひとりで何もできないなんて
・
僕は勇気を出して
街路樹の続く道を歩いた