雨降りの情感

突然の降雨に戸惑っていた
視界を遮る雷雨の意味は
どう解釈を加えれば良いのだろうか
傘を差しても防げない
この勢いは
どこかの女の涙に似ていた
晴わたる午前の穏やかな感情は
人知れず人混みの雑踏に紛れて
窮屈している歩行者か
荒波の磯に立つ釣り人
根底にあるのはおそらく
ワタクシの時間を
邪魔して欲しくないという
わがままだろうか
失望感はない
じきに晴れ上がるだろうと
東の空の薄雲の様子が
微かに見て取れるからだ
雲色のコントラストは
心模様の振幅を示唆する
経験則が役に立たない風景が
あるだろうか
ほくそ笑んで身体に付着した
水滴を飲み干す
わずかに目立つ好敵手は
生きる上で必要な道化師
シルクロードを避けて通る
異邦人のように
果てのない粗造な土地を

彷徨って

生きる意味を考えてみる