類似幻想

高校の修学旅行で

阿蘇山に登った

 

そのとき火口付近まで

登山して

見事なカルデラ地形に

感動と地球活動の

不思議な生命力を感じた

 

きれいな青い色が

湯気を上げている

 

カルデラをふさぐ青い色は

空を飛んで

スカイブルーの光線を放ち

いつの間にか

チュキカマタにいた

 

確か南アメリカのチリ北部

有名な銅山だ

 

そこにはカルデラ地形に似た

巨大な楕円形の彫り込み地形があり

高台に立ち、のぞき込んだが

きれいな青い色はなかった

 

何層にも分かれた

銅を取り出したあとが等高線様の

縞模様を創り出し

地球は幾重にも削られていた

 

類似幻想は

一方では地球の生命力を感じ

もう一方では人間の生産活動に

すり減らされた地球の傷跡を

目の当たりにしたようだった

 

わずか数秒間の類似幻想だが

なぜ、一瞬のうちに

阿蘇山のカルデラ地形と

チリの銅山を行き来したのか

よくわからなかった

 

確かにその時

阿蘇とチュキカマタが

脳内でネットワークを

つなげていた