風の歌

風の歌が聞こえる

 

どこからだろう

 

風の歌が頬を撫でる

 

どうしてだろう

 

風の歌が深呼吸する

けがれなき透明な吐息

 

無尽蔵に流れてゆく

不思議なメロディー

 

言葉を介さずに

身体をすり抜けて

 

風の歌は色づき始めた

 

何処へ行くのだろう

 

風の歌は踊って消えた

 

追憶と感傷を残して。

 

木枯らしに身を潜めて

 

笑っている

歌っている

 

風の歌が

こころをあたためている