鬼才を放つ

壁をげんこつで殴りつけて

怒りの感情を埋め込んでみる

 

壁の一部は崩壊し

戦慄をおびながらも

新しい世界が開かれる

 

ベルリンの壁が崩壊した

さまのように

穴の空いた壁の向こうに

新しい世界をみつけ

そこで一歩踏み出す

勇気があれば

鬼才を放つ英雄

 

穴を開けたまま

変わりばえのしない生活の中で

外の景色を見ているだけなら

初めから怒りの感情を

埋め込む必要はない

実はホンモノの怒りでは

なかったのかもしれない

 

新しい未来を築く

鬼才を放つ逸材は

めったにお目にかからない

 

映画が好きな理由は

そこにある

 

名作はいつも

鬼才を放って

いつの間にか

その世界に

引き込まれていく

 

駄作をみると

居眠って

ひどいときには

いびきの音に

変わってしまう