黄金の日々

着崩れした瞳の微笑み

表情筋は恍惚として

狭く深遠な世界に

引き込まれてしまう

稀有な作品に出会った時の

人間の所作に見られる光景

優れた書物に触れ

心を愛でる音楽に陶酔し

穏やかな風景に浮かび上がる

映画のモノトーンな世界を

彷徨い歩き

独自の色彩と異彩を放つ

シュールレアリズム絵画の

前に立った時の歓喜と憂鬱

有限の中に無限感を

与えられた瞬間に

着崩れした恍惚なる世界観と

対峙する経験こそが

人間存在の価値を露呈させる