黒枝豆

枝豆って

さやに隠れて

仲良く横たわっている

いわゆる

ふつうの緑色の豆

特に風情のない食べ物

そんなイメージだった

 

近頃は冷凍物が多くて

バサバサしていて

どうもよろしくない

 

居酒屋とて似たような

冷え冷えの緑色が

ほとんど

 

大して おいしくもなく

目の前にあるから

惰性で食べているだけ

 

ところが、である!

 

十月の第二週頃にしか

お目にかかれない

黒枝豆に出会った

 

運良く今年

はじめて食べた

 

全く別物だった

 

さやの中に

恥ずかしそうに

まるまる、ほくほくと

隠れている

 

色は黒いが味は絶品

 

違いのわかる人間に

またひとつ成長した

 

枝豆って、美味しい

初めて思った

 

いいものと

そうでないもので

味も香りも全く違っている

食べ物と言えば、

 

鰻とウニと牡蠣

だった。

 

枝豆も付け加えよう。

 

本当に

いいものと

そうでないもの

の間に

大きな違いがある

 

鰻とウニと牡蠣と枝豆