Balanço

公園で揺れていた

寂しげなブランコ

 

夜半の蛍光色に

照らされて

 

鉄さびと

泥のついた足跡が

ペンキの剥げた

ブランコの構造を

引き立てていた

 

孤独な一人芝居の

舞台のようだった

 

思慮深くない心象で

わたくしは座った

 

揺らしているわたくしは

揺らされているブランコと

いつの間にか同化して

 

過去と未来

悲しみと喜びを

見失った

 

現実だけが揺れている

 

揺れ続けている

 

やがて、単調な振幅に

辟易としてしまった

 

ブランコから離れると

未来を取り戻した

 

そして

寂しげに揺れ続けている

Balanço に別れを告げた