New Yorkの片隅で

壁のポスター引きはがし、露出したコンクリ

ートを拳で殴る。赤いペンキの壁画が出来上

がると満足げに街の中へ飛び出していった。

骨のある男もいるのね

つまらない情動に蓋をする、カクテルはいか

が?スクリュードライバーなんて子どもっぽ

いものやめにして。グラスも必要ないのよ。

そのてっぺんから浴びるほどかけてあげる。

あたし、ダンスに飽きたストリートガール。

とびっきりのカクテルを作っているところ。

久しぶりのヒールのせいで爪が剥がれたわ。

かわりに女のプライド取り戻した。

ええ? そうよ。真っ赤なタイトに黒のヒー

ルは似合わないですって!あなた、生理的に

無理、出て行って。胸元が色っぽいって?そ

んな安っぽい性欲は、よそに持ってお行き!

きれいな瞳だって、フシアナ野郎に用はない

よ。

カウンターの隅でうつむいている、あなた。

今日で三日目よ。あたしでよければ、話聞い

てあげるよ。あなた、バーボン二杯飲んで、

出て行った。また、逢えるように、背中に煙

草の煙をかけてあげる