Pinky Moon

今宵の月は

いつもと違って

 

熟した果実のように

甘く切なく

 

時折通りかかる

雲に目もくれず

 

おぼろげに

近づいてくる

 

不透明さを

保ちながら

近づいている

 

輪郭の鮮明を

鷲掴みにして

 

今宵の月を

わがものとし

安堵の眠りにつく

 

流線形の夢の中で

羊水につかり

月明かりに

名前をつける