SUMAHAMA
海辺の砂浜で
心のネジをすべて外して
熱い太陽に身体を焼きながら
喉の渇きをカンパリーソーダで
潤していたあの日々が懐かしい
頭の中は空っぽ
遠くからハワイアンが聞こえてくる
海の家だろうか
熱すぎると砂だらけの頬を
海水でぬれたサーフボードにくっつけて
また海に出るかと腰を上げる
いい波が来ないと
砂浜に戻って身体を焼く
ココナツの香りがするサンオイルを
身体に塗りつけ
疲れた身体は砂の中に埋もれてゆく
黄昏の海辺は少し寂しい
夜のとばりが降りると静かに語り始める
どこにでもあるようなありきたりな夢
打ち上げ花火のように
その場限りのよもやま話かもしれない
それが楽しかった
ありきたりな物理現象にすぎないとしても
夜の波は小さく優しい
水平線が見える明るさがなくなれば
小さな波を見つめながら
近しい仲間たちと話をする気にもなる
人間の身体の中にある
サアーカディアンリズムは確かに
自然と共有しているものだ
無意識にそれを感じているなら
海辺の砂浜に集まる人もいるだろう
海辺の砂浜で
心のネジをすべて外すと
身体の中のリズムが姿を現す
砂浜には
感情というようなものを
投げかける自然がある
砂浜が
アーティフィシャルなものであっても
その中で心の再生が起こる
あの頃のように
海辺の砂浜で
どこにでもあるような
ありきたりな夢を語ることが
今でもきっと出来るだろうと
思える自分が
まだ残っていることが
妙に嬉しい
いつまでも夢を持ち続けることが
よりよく生きてゆくための原動力になる
海辺の砂浜で心のネジをすべてはずそう