落ち葉拾いのリップ
呆れるほどに
やわらかい唇の
おんながいた
触れると
溶けて
しまいそうなくらい
蘇芳色で
女神のように
すべてを包み込み
ルージュなしで
魔法にかける
信頼の気持ちを失ったり
包み込む気配が消えれば
落ち葉拾いのリップ
触れようとするものを
化石に変えてしまう
黒魔術の使い手に
変わってしまうだろう
神話の世界のよな
おとぎ話のよな
現実のよな
湿潤な艶やかさが
乾燥した亀裂に
変わってしまえば
落ち葉拾いのリップ
季節の移ろいに似て
せつなさが地団駄を踏む