ため息、夕暮れ時
ため息というより
浅い深呼吸かもしれない
・
空が黄昏れていたから
こころが紙風船のように
抜けていった
・
からっぽになった身体に
見えたのは
勢いよく空を分かつ
真っ白な飛行雲
・
瞬く間に消えていった
幻だったのだろうか
・
わたくしは
数多の幻を
現実に変えるために
生きている
・
目に見えない幻を
目に見える現実に
変換するために
毎日を積み重ねていく
根拠のない確信
・
ため息、夕暮れ時
ため息というより
浅い深呼吸かもしれない
そんなふうに思える
・
街路樹の冷たくなった
街角をゆっくり歩く