ねむり姫

ねむり姫はね

目覚めていたくないから

少しでも早く、眠りにつくんだよ

 

あるとき

ねむり姫はね

ねむり王子に出会うんだ

 

ねむり王子はね

目覚めたくない日があって、

そんな日の前の夜に

森の奥にあるという

魔法の葉っぱをかじって

深い眠りにつくんだって

 

ねむり姫がね

どうしてそんなことするの

ねむくなるまで

おきていればいいじゃない

って聞いてみたんだ

でも、どうして目覚めたくない日

あるのか、聞かなかった

何となくわかる気がしたから

 

ねむり王子もね

どうして目覚めていたくないか

ねむり姫に聞けなかったんだ

何となくわかる気がしたから

 

目覚めていたくない、ねむり姫と

目覚めたくない、ねむり王子は

お互い顔を見合わせて

同じような気がするねって

笑ったんだって

 

それから二人は

一緒に暮らして

 

ねむりたいときに

ねむって、

目覚めたいときに

目覚めたんだって

 

それが二人にとって

とても幸せな

毎日になったそうな