はなみず水族館

診察室で

鼻を吸引したあと

 

容器の中で

グルグル回っている

はなみず や はなくそを

じーっとみて

「水族館だ」って

珍しがる子どもがいた

 

鼻の吸引をしようとするとき、

吸引器具を見ただけで

お母さんに抱きついて

泣き出す子、

へっちゃらで自ら鼻を

前につき出して

「アー」って

口を開ける子まで様々

 

お医者さんの中には

はなみずを吸引しても

また、すぐにたまるから

意味がないといって

してくれないところもあると

患者さんからうかがった

 

本当にそうなんでしょうか

鼻水を吸引することに

意味がないなんて

本当にそうなんでしょうか

 

でもね、はなが詰まって

口で息をしている子・・・

ほっとけないんだなあ

 

お医者さんは医学的に患者さんの

病態を判断して治療するのは

当たり前のことだけど、

それだけでお役目修了って考えて

いいんだろうか

 

もう一歩、前に進む必要があると思うんだけど

 

「病気だけ診るのではなく、病人を診よ」

といって全人的医療を考えましょうという

発想が何十年も前から、言われ続けている

 

僕は、医者だけど

近所にいる病気に詳しい

「けったいな おっさん」でもあるから

自分の子どもだったらどうするって発想で

いつも考えている

だから、優しいって思われることもあるだろうし

冷たい先生だって思われることもあるかもしれない

 

十分であっても、医学的な判断ができるだけでは

本当の医者になった気がしない

 

理不尽な診療報酬のことばかりに目を向けていると

患者さんを自分の子どものように考えることが

出来なくなるんじゃないかな?

 

で、話を元に戻すけど、

鼻をかむことが出来る大人ですら

鼻をつまんだまま

ご飯食べられますか?

すごく鼻が詰まったまま

夜、寝られますか?

 

それに、

喉の奥の少し上にある

耳管という管を伝って

中耳腔に鼻水バイ菌が入っていくと

中耳炎になっちゃうこともあるんだ

 

こわいかもしれないけど

はなみず水族館

ながめてみませんか

 

いろいろな性格の子がいるから

無理強いは出来ないけど

ずいぶん楽になるんだよ