らしさ、を着る

よこしまな気持ちになると

よこしまの服が着たくなる

着たくなるのか強制させられるのか

分からないけど

普段着ではいられなくなる

 

たてしまな気持ちになると

たてしまの服が着たくなる

着たくなるのか強制させられるのか

分からないけど

普段着ではいられなくなる

 

よこか、たてか、

自分の気持ちが分からなくなって

いっその事、裸でいいかと納得する

誰も見ていないから、

自分一人の部屋だから、

裸でいいかと納得する

 

裸になれば

よこしまも、たてしまもなく

ありのままの自分があるじゃないかと

張り詰めた糸がほどけていく

代わりに、隠し所のない

自分の気持ちと向き合って

裸なのに、気楽ではいられなくなる

それでも糸はほどけていって

よこしまでもなく、たてしまでもなく

脱ぎ捨てようとした自分らしい普段着に

もう一度、値札を付けたくなる