サラダ記念日

歯が痛くてたまらなくなった

薬を飲んで

顔面神経の下顎枝に沿うように

湿布を貼った

そして重大な宣言をすることになる

「歯医者へ行く」と。

それは、

流石にそうしようと考えていたが

本気で宣言する勇気がなかったのかもしれない。

大袈裟?

いやいや、僕にとっては

歯を削るあの音がどうにも

耐え難いことなのだ

よっぽどのことがない限り

行動に移すことができないのである

どうしても口に出せなくて

歯がゆい気持ちを押し隠していた状態を

突き抜けて

「僕と結婚してくれる?」と

伝えることに等しいかもしれない。

こんなにも歯が痛くなった経験はない

こんなにも包み隠していた心の叫びを

口に出した経験はない

それくらい・・・

僕にとって、

勇気を振り絞って告白する

10月21日は、サラダ記念日