シーサイド・アヴェニュー

いつも訪れるシーサイド

砂浜で佇んだ後

遊歩道を歩いて

疲れた頃にたどり着く

いつもの店

海に張り出したバルコニーの

片隅で薄めのアイスティーを

注文する

特に意味はない

ただグラス越しにさえ

海の色を邪魔しないように

薄くしたいだけなのかもしれない

西からの潮風が吹くたびごとに

視界を遮る髪を整え直す

わたくしが眺めているのは

飛行機雲が伸びてゆく青空

あの雲をたどっていけば

日常の喧騒から離れて

ホワイトノイズに身を託しながら

鬱屈とした鼓膜の振動を

鎮静させることができるだろうか

そんな空想と引き換えに

アイスティーを少し残して

店を出る

疲れが少し回復して

シーサイド・アベニューの

雑踏へ紛れ込む

そうこうしているうちに再び

日常へと帰ってゆく

いつものように