何かが起こる予感

小川を飛び越えようと

する瞬間

鳥の鳴き声がして

右足のくつが

びしょ濡れなるイメージを

思い起こす

山道に向かう時

大きな障害物に

阻まれる気がして

通る経路を変えてみると

眼前に大きなシカが現れた

時間通りに来ないバス

ようやく来たバスの中に

彼女がいた

彼女は視線をそらした

次のバスを待つことにした

そのバスに乗り込むと

一つだけ席が空いていた

鞄を空席に座らせて

吊革につかまったまま

外の景色を眺めた

何かが起こる予感

それは場の雰囲気

無関係な泣き声

見知らぬ者の笑い声

かみ合わない視線

予感は突如として

思いも寄らぬ現象が

トリガーになる