内と外

両手に重い荷物を持っていたので

階段の灯りのないまま暗闇の中を

登っていた。中程の踊り場から右

に曲がって3段登ったところでふ

らついてしまった。姿勢を崩して

落ちそうになったが、肩を壁に沿

わせて危ないところを救われた。

気を取り直して再び階段を登り始

めた。壁にありがとうと言って笑

った。外は雷の音。雨だれが窓を

叩いている。