十三夜
まんじりともしないで
夜が明ける
窓の外は
薄紅の閃光に満たされ
街並みに流れていく
したり顔
乾いているのは
喉だけではないらしい
カーテンを揺らす
不透明なエーテルの動きは
いつしか時代錯誤な
タップを踏んでいる
弾まない吐息が
LEDの光源を折りたたんだ
幻影の世界に包み込まれ
暗闇の廃墟から
裸足のまま逃走した
乾いているのは
喉だけではないらしい
したたり落ちる
雨粒を平手で打って
不可解な手のひらを
握りしめる
倒木をまたぎ込んで
空高く飛べると
夢見心地で
窓を閉じた