午前三時
河川敷に生える木々の枝が
微細な黒いシルエットをつくり
眩しく固まっている
その中ほどに
白い帽子を深くかぶった妖精が
中腰で辺りを見渡している
手には銀色の長い
トングを揺らしながら
カチカチ鳴らしている
耳をそばだてると、
独り言をつぶやいている
信じることは、難しい
信じていない訳ではない
信じることは、難しい
信じていない訳ではない
分かってもらうことも
分かってあげることも
そう言って、
眼前を通りすぎる
鳥の足を挟み込んで
飛んで行った