塩加減
塩加減ほど大切なことはない
料理はそれで決まるのではないか
日本人だからそう思うのかもしれない
世界中で日本食料理店は人気がある
寿司屋はとくにそうだ
しかし味噌汁を注文する人は
ほとんどいない
味噌汁は人気が出ないのだ
どうやら
日本以外の国々では
塩加減などといっても通用しないようだ
辛みや甘み
そちらの方が大事にされる
トムヤンクン
ポタージュスープ
ボルシチ
シチューを含めて
世界で受け入れられるのは
塩加減ではないようだ
それでも
わたくしは
料理には塩加減ほど
大切なものはないと考えていたい
辛みや甘みは
日本では薬味と言われるところに
惹かれる
塩加減と薬味のバランス
決して辛みや甘みを優先しない
辛い物好きは
味音痴が多いと言われる
味を感じ取るセンサーのような
働きをしている味蕾という組織の数が
減ってしまうからだと
科学的に裏付けされてしまった
ちゃんと食感の働きを知っている人は
お汁粉を食べる時
塩昆布を添えてくれる
「箸休め」という。
上品な考え方だ。
塩加減と薬味のバランスの認知
それが舌の上に並んでいる味蕾の
役割に思える