夏色

川の畔を歩いていたら

てんとう虫が

Tシャツにとまった

立ち止まって

座り込んで

手をかざして

観察していると

人差し指の先まで動いて

羽を広げて飛んでいった

川の畔を歩いていたら

タマムシが

Tシャツにとまった

立ち止まって

座り込んで

観察していたけれど

一向に動かない

キラキラ光って

笑っている

鳴くことも

羽を広げることもなく

胸のところに止まったまま

キラキラ光って

笑っている

そのまま寝転んで

居眠ってしまった

鼻がむずがゆくなって

クシャミをして

目を覚ました

タマムシはどこにもいなかった

クシャミで吹っ飛んで

行ったのだろうか

てんとう虫とタマムシが

僕を夏色に変えてくれた