移ろいゆく風景
大きな台風が来るらしい
だけど、雨も風もないので
家の近くを散歩した
畑地の土の匂いを
深呼吸で食べながら
あたりを見渡していた
夏の日に
ピカピカ輝いていた
大きなひまわり
移ろいゆく季節の中で
朽ち果ててしまっている
土の上で寝そべって
ひとつの後悔も感じさせず
悲哀も感じない
肌寒い秋の日に
その横で
繊細な葉で
体を包み込むように
着飾って
小さなきれいな花が
あちらにもこちらにも
揺れている
コスモスは
秋らしく
おしとやかに
微笑んでいる
ちょうど、
「言葉の花束」が
朽ち果ててしまうことなく
生まれ変わったように