日常の97 %
カギを反時計回りにまわし
部屋を閉じた
屋内を消灯し
非常口の鍵も閉じれば
一日が終わる
やれやれ、自由だ
全く自由だ
そう想いながら
エレベーターに乗り
Mの文字を押す
扉が開くと
少し肌寒い空気が流れている
屋外の空気感を
頬と両手で感じる
駐車場まで歩きながら
夜空を眺める
車に乗り込んで
エンジンをかける
すると、
エンジン音ノイズが
自由を打ち消してしまう
エンジン音は
行くところが
これといって
ないことの合図
自由を想起するのは
Mの文字を押して
エンジン音を聞くまでの
つかの間の戯れ
やはり、
一日は終わっていた