昼下がり

ガムを噛んでいた

歩いていた

 

飛行機雲が流れていった

浮かぶ雲は

シーラカンスのようで

空の青さは

古代魚を育てていた

 

ガムを噛むのをやめた

 

小走りに身体を

動かしてみると

雨が降り出した

 

カラスの鳴き声が

遠くに聞こえていた

 

雷がフラッシュをたくと

時間が止まった

 

深海の構図の中で

私は魚になっていた