時の悪戯

時間はきっと、いたずらなもの

私の時間が流れている

音を立てることもなく

誰かに気づかれることもなく

私の時間が流れてゆく

餌もつけずに釣り糸を垂れる

釣り人のように

何かを求めるわけでもなく

心を傷つけられると

言葉も知らない赤子のように

涙を見せずに泣きじゃくる

心を傷つけてしまうと

大人の言葉の意味がわからない

子供のように口をぽかんと開ける

胸が苦しくなってくる

それでさえも

私の時間は流れている

私の時間は流れてゆく

時間の流れに身を委ねて

人の声も聞こえてこない

一人の部屋で

サウダージを探している

想い出の中に

それを見つけ出そうとする

私を支えているのは

ひとかけらのサウダージ

わかっていたけれど

もう一度思い起こしてみる

私の時間が流れている

私の時間は流れてゆく