木陰から見た砂浜

渚が支えてくれる

夏の感傷

色褪せた砂浜は

波の激しさを思わせ

たどり着いた流木に

腰掛けながら

砂の城を

見届けている

黄色い声が絶え間ないが

それは気にはならない

夏の渚は

人が自分勝手に

作り出した幻想

色褪せた砂浜と

朽ち果てた流木と

砂の城の持つ

リアリティを

実感していながら

幻想を羨む

渚が支えてくれる

夏の感傷を

楽しんでいる