水滴
水滴は
透明な赤い色
戯れに手に取って
眺めていた
指をつたい
宇宙に落ちていった
重力は
引き留めようとしてみたが
指先から
宇宙に帰っていった
水滴は
透明なほうがいい
水滴は
赤いほうがいい
重力が
無意識に
引き留めようとするから
それでも
透明な赤い水滴は
宇宙に向かって
滴落していくことを
止めない
宇宙にたどり着くと
瞬く間に
消えてなくなって
しまうのに
だんだんに
だんだんに