泉都

温泉に行こうと想う

 

足元に

仄暗い明かりだけ

 

泉質は

鉄分や硫黄質よりも

植物系のさらっとした

ぬるま湯で

 

温泉に行こうと想う

 

朝もやにまぎれて

肩までつかって

 

遠くの景色を

眺めながら

 

何も考えず

 

表情も作らず

 

体の筋肉を

すべてオフにする

 

腑抜けになった

湯上がりの体に

少し酒を流し込み

 

いつの間にか

居眠ってしまう

 

きっと由布岳のどこかで

ミミズクが

笑っているだろう

 

 

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