夢想雪
この寝苦しい
熱帯夜に
白い雪が降っている
汗ばんだ寝顔の夢に
白い雪が降り積もっている
わたくしは流氷に導かれ
氷山の上に
藻草で作った
ベッドを用意し
海の上を流れるように
深い眠りに落ちている
いつの間にか
白い雪がはじけて
わたくしを凍らせてゆく
寝返りの出来なくなった
身体のまま
たどり着いたのは
あなたの眠る
岸辺の近くだった
あなたはわたくしを
丁寧に溶かしてくれた
それはまるで
寒い冬に両手を暖炉に
かざしている時の
温もりに似て
ほっこりとした
しあわせ色をしてみえた
本当に、しあわせだった
たとえ夢の中でも
本当に、しあわせだった