弁当の蓋についた米粒

ある日の夕食は

貴船神社の火焚き祭りで

頂いたお弁当だった。

中身は栗の入った赤飯等々

ありがたく頂いた。

蓋についた赤飯の米粒を

一粒残さず頂いた。

頭の中でいつも思い出す

エピソードがある

中学の時、校長先生が

各教室を回って

生徒と一緒に昼食をとる

イベントがあった

その時、食後に校長先生が

一人一人の弁当箱の蓋を

確認していく

米粒が残っていると叱られる

「君たちはなぜ弁当箱の蓋にくっついているお米を残すんだ?農家の人が一生懸命作ったお米だろ。一粒たりとも粗末にしてはいけません。ありがたく、いただきなさい。」

校長先生の決まり文句だった。

食べ物を粗末にしてはいけない。

わかっているけど、そこまで考えたことがなかった。みんなそうだった。不服そうに言われるがままに食べた。

しかしそれ以来

弁当箱の蓋についた米粒を気にするようになった。

今更ながら、その言葉が心に沁みてくる。

教育とは即効性がなくても、何十年も経過しても、心に残り、それを実践する礎になるようなものなのではないか。

本当にそう思う。