花の香
特に何も考える事もなく
ボンヤリと
窓の外を眺めている
特に何も考える事もなく
テレビを見ているが
テレビの内容は
何も覚えていない
特に何も考える事もなく
あなたの顔を眺めている
あなたの仕草に
意識を移している
そんな毎日が
何よりうれしいと
空想することがある
あなたの指に触れ
あなたの指を噛む
あなたはそれでも
微笑みを絶やさない
そんな毎日が
何よりうれしいと
想像することがある
まるで
美しい花の香を
いだきしめる
喜びのように