蝉の一生

アブラゼミを捕まえようとしたら

おしっこを引っ掛けられて

彼は飛んで行った

蝉は、不完全変態で

サナギにはならない

卵を木に産みつけて

孵化せずに一年ほど過ごす

そのあと孵化して土の中で

3〜17年間、幼虫として育つ

機をみて、土から這い上がり

少し木に登って、成虫へと成長する

大声で鳴いて相棒を見つけると

次世代を受け渡して役割を終える

1週間ほどで

ポロリと地面に落ちて

仰向けで土に帰る

蝉にとっては寿命の常

我々から蝉の生涯を俯瞰すると

ナラティブなアンバランスの轍

生物種を超えて、ただ静観する