鏡の中の風景

鏡の中にある風景

野放図な振る舞いが

許される風景

行ったり来たりする感情を

ダーツの矢で仕留める

陳腐な決まり文句を復唱し

利己的な満足感を探し出す

映し出されるのは

ささやかな欲望に満ちた顔

それを誇らしげに覗き込む

魔性の微笑み

それは欺瞞を隠すペルソナを

眺めているに過ぎない

本性は鏡の中の風景には

何一つ映し出されない

けれども人は

鏡像のペルソナを

装飾にしておかなければ

拠り所を失うかぼそい存在

ペルソナは仮面と同義だが、

個性(パーソナリティ)の

語源であるところに

神秘性の余地が残されている