陽のあたる坂道で
ステンドグラスの映える坂
通ったことのない坂道
自転車を押して登る。
旧街地の中に
ぽつんと真っ直ぐな坂が
長く連なっている。
一番高いところが
まだ遙か上にあり
到着を意識するには
まだ早いようである。
ステンドグラスで飾られた街並みは
まるで教会の礼拝堂の中で
天を仰ぎ見るときの感情に似ている。
不思議と汗をかかない。
心が浄化されていくような
錯覚の中にいるのがわかる。
遠ざかる海からの道。
近づいてゆく丘の上の未知。
このまま
このみちを
ゆっくりと歩いて行けば
人生が穏やかに流れてゆく
そんな予感が
坂を登っている